★遺産分割協議
遺産分割協議
相続人の間で話し合いをし、法定相続分と異なった相続分で相続をする場合に遺産分割協議を行うことになります。また、相続人間で誰がどの財産を相続するか話し合いに折り合いがつかない場合には、裁判所などの第三者機関を間にはさんで遺産分割をする方法もあります。遺産分割には次の4つの手続きがあります。
1.遺言による指定分割
故人が残した遺言に基づいて分割を行います。遺言の中で第三者に分割方法を決めてもらうように委託している場合もあります。遺言にそって実際に財産を分配するのは遺言執行者になります。
遺言で分割方法が定められていても、相続人全員の同意があれば、遺言の内容と違う方法で相続することも可能です。
注意点
遺言執行者がいる場合に、その遺言執行者の同意を得ないで遺言の内容と違う方法で分割協議をした場合は、遺言執行者と紛争になる可能性があります。
2.協議分割
相続人の全員の合意によって遺産分割を行います。たとえば不動産は息子、あとの預貯金等の財産はすべて妻に相続させるというような遺産分割も可能です。また、故人は遺言の中で一定の期間この遺産分割をすることを禁じることができます。
3.調停分割
家庭裁判所の調停によって遺産分割を行います。
調停では、調停委員や家事審判官が相続人の話し合いを仲介し、全員が納得する分割案をまとめるための手助けをしてくれます。
4.審判分割
家庭裁判所の審判によって遺産分割を行います。家庭裁判所では遺産に含まれる物や権利の種類と権利の性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態・生活の状況などを考慮して分割を行います。通常は調停の手続きがうまくいかなかった場合の次の手段として行われます。
以上の遺産分割協議が終わったら、遺産分割協議書の作成です。
ポイント
- 故人は遺言のなかで一定期間遺産の分割を禁ずることができます。
- 遺産分割協議が終わったら、遺産分割協議書を作成しましょう。
- 当事者間で特定の相続人が借金を相続する旨の合意が成立したとしても、あくまで相続人間の内部関係を決めたに過ぎず、その内容を債権者に主張できず、法定相続分に従った割合で借金を相続しなければなりません。
- 裁判所を介する分割協議は時間と費用がかかり、得策とは言えないため、相続人同士できる限り協力し合って協議しましょう。