★遺言書でできること
遺言書の内容で法的効力が生じる事項は決められています。
1.遺言認知
子が生まれたときまで認知の効果が遡及します。
認知したい子が成年であるときは、その子の承諾が必要となります。
2.親権者による後見人または後見監督人の指定
親権者である遺言書作成者が、子の後見人や後見監督人を遺言書で指定しておくことができます。
3.推定相続人の廃除と取り消し
遺言書作成者に対し、虐待や侮辱をした相続人に相続させないとすること、または生前に家庭裁判所に申し立てて認められた廃除の効果の取り消しを遺言書ですることができます。しかし現実問題、廃除が認められる事例は多くはありません。
4.負担付遺贈
5.相続分の指定
法定相続分が決まっていますが、それと異なる相続割合を定めることや、異なる定めをすることを第三者に委託することができます。ただし、遺留分を侵害してはいけません。
6.遺産分割方法の指定
分割の方法を定め、もしくは分割の方法を定めることを第三者に委託することができます。また、5年を超えない期間内は遺産分割を禁止することができます。
7.遺贈
遺産全体の何割分を丙野花子に遺贈する、などとすることもできますし、特定された財産を遺贈する、とすることもできます。
8.遺言執行者の指定
9.遺言の撤回
10.信託の設定
遺言者が信託の目的・管理処分方法・受託者の権限を自由に定めることができます。公益的な目的のために財産の一部を活用してほしい場合、遺言者死後の親族の状況などに応じて、受託者の裁量により財産の使途・処分方法を決定することを望む場合に効果を発揮します。
11.祭祀承継者の指定
系譜、祭具および墳墓の所有権者を承継するものを指定できます。
12.贈与・遺贈の持戻免除
生前に受けた贈与は、相続財産に加算するのが原則ですが、遺言作成者は譲った財産の価額を相続財産に加算しなくていい、という意思表示を遺言書に記すことができます。
そのほか、法的拘束力はないものの、様々な希望や思いを自由に書くことができます。たとえば、尊厳死、葬儀・法事・埋葬方法の希望、家族や友達へのメッセージ、臓器提供、献体など。医学の発展に貢献したいとの理由と、その認知度の広まりから献体の登録希望者は20年前に比べ倍増しています。